【初の殿堂入り】ピース【永遠の銘花】
庭のバラを紹介します。
永遠の銘花と呼ばれる、「ピース」です。
1945年にフランスのフランシス・メイアンによって作られました。
咲き始めは黄色、
徐々にクリーム色に変化していき、
花びらの縁が薄くピンク色に染まります。
ハイブリッドティー・ローズ
四季咲き大輪。
香りはティー系、微香です。
半横張り性で、樹高は約1.4mにもなります。
花径は約14㎝。大きいです。
返り咲きで、大輪の花を枝いっぱいに咲かせるつるバラもあります。
樹勢・耐病性は普通、と言われることが多いですが、
私は耐病性は弱く感じます。
黒点病に弱く、葉が落ちやすく感じますので、
黒点病対策はしっかりと行った方が良いです。
非常に人気の高い「ピース」ですが、
誕生までの歴史を調べてみると、
第二次世界大戦を生き残った奇跡的なバラでした。
最初は「マダム・アントワーヌ・メイアン」という
作出者メイアンの母親の名前が付けられていました。
当時のヨーロッパは第二次世界大戦の真っただ中。
戦況が悪化するなかで、
メイアンはフランスからアメリカへと避難。
そのなかで「マダム・アントワーヌ・メイアン」を失ってしまいます・・・。
しかしメイアンはアメリカ・ドイツ・イタリアにこの苗を送っていました。
ドイツ・イタリアに送った苗は行方がわからなくなってしまいましたが、
アメリカに送った苗は友人のロバート・パイルのもとに届いており、
大切に育てられました。
世界平和を願い、「ピース」と名付けられ、発表されました。
1976年には、世界バラ会連合選出で初の
「栄誉の殿堂入りのバラ」となりました。
まさに20世紀を代表するバラです。
また、ピースは多くの品種の交配親としても使われており、
それらの子孫は「ピース・ファミリー」といわれています。
世界中で人気のあるバラには、
素晴らしいストーリーがありました。
世界平和を願う、多くの人々の思いも乗せて生まれたんですね。
もし、「ピース」が戦禍で完全に失われていたら、
現在のバラはいったいどうなっていたのだろうと考えてしまいますね。
ピース無しでは、バラの歴史は語れません。
世界平和を願った、様々な人々の思いが詰まっている20世紀を代表するバラ。
小さな庭ではありますが、その思いを受け継いでいけたらと思います。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。