薔薇好きまっさんの日記

学んだ知識を定着させるために。薔薇をメインに、色々と綴っていけたらいいなと思っています。

【オールドローズ】バラの種類・系統【モダンローズ】

こんばんは。

 

バラ園で写真を撮ったりしていると、

「綺麗ですねー。」とふと声をかけられることがありました。

これが結構嬉しかったりします。綺麗なものは誰でも共有したくなります。

 

そんな優しい方とお話ししていると、

「私はオールド...で......の...が...」と語ってくださるのですが

バラの種類など分からなかった頃は「?????」でした。

 

どういった分け方があるのかなんて最初はさっぱり。

そこで、バラにはどんな種類があるのかを

簡単にご紹介できればと思います。

 

 

 

〈バラの種類〉(ワイルドローズ・オールドローズ・モダンローズ)

バラは一般的に、

・ワイルドローズ(野生種)

オールドローズ

・モダンローズ

に分けられます。

 

バラは世界中に100~150種の野生種があるといわれます。

人工的な交配が始められたのは19世紀から。

それ以前にも栽培中の交雑によって生まれたものがありますが、

それらも含め、人の手が加えられて作られたものを園芸品種といいます。

 

バラの改良は、ヨーロッパや中国などで別々に進められていましたが、

18世紀末に中国のバラがヨーロッパに入り、交配に使われるようになると

大きく変化しました。

 

ラ・フランスの誕生〉

 1867年、フランスで作られたラ・フランスは、

・四季咲き

ティー系の香り(中国のバラの香り)

・丈夫な花首

・剣弁高芯咲き

といった、今までのヨーロッパのバラには無い特徴を持ち、

歴史的なバラとなりました。

【オールドローズ】バラの種類・系統【モダンローズ】

ラ・フランス

〈1867年〉

この「ラ・フランス」が誕生した年代をもとにして、

前から存在していた系統 → オールドローズ

以降に誕生した系統   → モダンローズ

と、区別しています。

 

オールドローズ、モダンローズそれぞれ多くの系統がありますので、

主な系統を簡単にご紹介させていただきます。

 

オールドローズの主な系統〉ラ・フランスより前

 ガリカローズ

ヨーロッパから中近東に自生するロサ・ガリカをもとに育てられてきました。

ローマ時代から栽培されていた最も古い系統です

トゲが少なく、赤バラの先祖ともいわれます。

 

・ダマスクローズ

ロサ・ダマスケナとロサ・ダマスケナ・ビフェラをもとに作られた系統です。

ダマスク香を持つものが多いです。

    

・ポートラントローズ

一説では、

ダマスクローズ系ガリカローズ系の交配種から作られたといわれる系統です。

最初に登場した返り咲きオールドローズです。ダマスク香

  

・アルバローズ

ダマスクローズとロサ・アルバをもとに改良されたといわれる系統です。

寒さに強く、丈夫なものが多いです。

 

・チャイナローズ(ハイブリッドチャイナローズ)

中国原産のロサ・キネンシス(コウシンバラ)とロサ・ギガンテアの流れを組む系統です。

トゲが少なく、枝がほっそりとしています。四季咲き

 

ティーローズ

チャイナローズに、

ブルボンローズまたはノワゼットローズを交配して作られた系統です。

四季咲き大輪紅茶の香りがします

モダンローズの系統ハイブリットティーの交配に用いられました

 

・ブルボンローズ

インド洋のブルボン島(現在のレユニオン島)で発見された、

チャイナ系とダマスク系の自然交配でできた系統です。

返り咲き豊かな香りを持ちます。

 

・ハイブリッド・パーペチュアル・ローズ

ハイブリッドチャイナローズに、

ポートランドローズやブルボンローズなどが繰り返し交配されて作り出された系統です。

花色・花形が多くあり、香りもあります。

ハイブリットティーの交配親として使われています。

 

・ノワゼットローズ

チャイナローズのオールドブラッシュとロサ・モスカータを交配して作られた品種から生まれた系統です。

つる性ムスク香。枝は細くトゲが少ないです。

 

 

〈モダンローズの主な系統〉ラ・フランス誕生後

 ハイブリッドティーローズ

ハイブリッド・パーペチュアルとティーローズの交配からつくられた、

モダンローズの先駆けとなる系統です。

大輪一輪咲き四季咲き剣弁高芯咲き豊かな香り多彩な花色などの特徴があり、耐寒性が高く花茎がしっかりとしていて花は上を向いて咲きます

【オールドローズ】バラの種類・系統【モダンローズ】

初恋

【オールドローズ】バラの種類・系統【モダンローズ】

初恋

 

フロリバンダローズ

ポリアンサローズとハイブリッドティーローズの交配によってつくられた、

四季咲きの系統です。

中輪房咲き耐寒性があり、多く花が咲きます

 

【オールドローズ】バラの種類・系統【モダンローズ】

ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ

・シュラブローズ(モダンシュラブ)

1867年以降(ラ・フランスの誕生後)に、フロリバンダハイブリッドティー、ワイルドローズやこれまでの系統などを交配に用いて作られたシュラブ型(半つる性のバラです)の園芸品種です。

 

・グランディフローラローズ

ハイブリッドティーフロリバンダローズの交配によって作られました。

両者の中間的な性質を持ちます。

 

イングリッシュローズ

オールドローズとモダンローズを交配してつくられた系統です。

イギリスのデビッド・オースチンによって育成されました。

 

ポリアンサローズ

ノイバラ(日本に自生しています)とロサ・キネンシスを主な交配親とする小輪房咲きの系統です。

 

ミニチュアローズ

ロサ・キネンシス・ミニマとポリアンサローズ系の交配によってできたとされる小輪房咲きの系統です。

ポリアンサローズと区別がつきにくいものが多いです。

 

・ラージ・フラワード・ローズ

ロサ・キネンシスやロサ・ギガンテア、日本のノイバラなどを交配親にして作られた園芸品種に、フロリバンダハイブリッドティーの園芸品種が掛け合わされてできた系統です。

 

〈おわりに〉

簡単に説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

現代のバラが生まれるまでの歴史が深すぎて、

全て学びつくすのはなかなか大変そうです。

 

ガリカローズはローマ時代から育てられていたそうですし、

バラはずっと愛されてきた植物なんだなぁと感じました。

 

今日のように多くの系統が生まれたのも、

多くの人がバラに魅せられ、

もっと素晴らしいバラを作れないだろうかと、

多くの努力を重ねた結果だと思います。

現在もなお、多くの素晴らしい品種が誕生しています。

作り手の方々に感謝し、

素晴らしいバラとの生活を堪能していきたいと改めて思いました。

 

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